プラントテック実証プロジェクト|スマートグラス等を活用した設備の維持管理における遠隔作業支援

福岡市では、日々の生活を支えるプラント施設をフィールドに、先端技術の活用やカーボンニュートラルへの対応、施設の魅力向上を実現するプラントテック実証プロジェクトを実施しており、この度「スマートグラス等を活用した設備の維持管理における遠隔作業支援」の実証実験を実施します。

1 実証プロジェクトの目的

福岡市では、離島や山間部などに点在する浄水場やダムなど、多くの水道施設を維持管理しています。その中で、大雨や台風などによる突発的な事故対応では、現地に職員を派遣し、迅速かつ的確にトラブルに対応していく必要がありますが、経験年数が少ない若手職員も多いため、ベテラン職員が帯同で支援しながら作業を行うことが難しい場合もあります。
そこで、今回の実証プロジェクトでは、現地で作業する職員のヘルメットや帽子等にスマートグラス※を装着し、現地の状況を遠隔地から監視・指示しながら、双方向でやり取りを行い、適切な維持管理を行うシステムの構築に取り組むことで、水道水のさらなる安定供給をめざします。

※スマートグラス・・・メガネと同様に目の周辺に装着して使用するウェアラブルデバイスの1つで、実際に見ている光景に情報を付加し、重ねて表示することができるディスプレイ等を有する。

【実証実験のイメージ】

2 実証プロジェクト期間

令和6年5月16日 ~ 令和6年10月31日

3 提案事業者及びプロジェクト概要

企業名 プロジェクト概要
ジャパンメディアシステム株式会社

■研究目的
ベテラン職員の技術継承や担い手不足等の課題に対して、スマートグラスを用いて、作業員への後方支援や育成などを遠隔対応することで、課題解決を図ることができるのかを検証
■研究概要
(1)スマートグラスを使用して、現地の状況を遠隔で監視及び指示しながら、双方向でのやり取りが可能かを検証
(2)地下構造物など、通信環境が厳しい条件下でも安定した運用が行えるかを検証
■特徴
○ スマートグラス装着者は電源ON以外の操作が不要
○ 圧倒的な安定性
○ ハンズフリーで使用可能な安全性
○ 完全国産のシステム
株式会社ドーン

■研究目的・概要
映像通話システム「Live-X」を福岡市の水道業務にて活用し、職員負担軽減の効果を検証
(1)現地とのリアルタイム映像通話により現地立ち合いの人員を削減し効率化を図る
(2)映像通話により職員間の技術継承の機会を作る。映像記録機能を研修などに活用
(3)従来点検が困難だった個所にドローンを活用し、人員・時間を削減
■特徴
○ 同システムが全国120以上の消防本部にて導入されており、その中で培った機能品質・セキュリティを活用
○ 複数人でリアルタイム映像の共有、図面などの画像を映像内で共有が可能
○ 事前のアプリダウンロード不要のため市民からの漏水の通報など緊急時にも対応可能
株式会社 正興電機製作所

■研究目的
水道施設の維持管理業務(故障対応含む)において、スマートグラスを活用した遠隔からの技術支援の効果について実証
■研究概要
(1)福岡市が維持管理を行っている水道施設において、スマートグラスを活用し現場と水道本局をリアルタイム双方向通信で結び、遠隔からの支援及び指示による維持管理業務(故障対応含む)への実証実験を行う
(2)電波の届きにくい山間部や地下に設置されている水道施設について通信環境の構築について実証実験を行う
■特徴
○ 遠隔からスマートグラスを活用して現場のリアルタイム映像を確認できることから、維持管理業務(故障対応含む)への適切な支援・指示が行える
※ 職員の技術レベルに左右されない適切な維持管理業務が実現できる
株式会社 日立製作所 九州支社

■研究目的
現地で作業する職員が装着したスマートグラスやタブレット端末で、現地の状況を遠隔地から監視・指示しながら双方向でやり取りを行い、効率よく運用できるか検証
■研究概要
スマートグラスやタブレット端末に搭載したカメラにより、施設現場作業者と画像を共有し、遠隔で同一画面を見ている熟練者や複数の人間からの映像、音声、チャット等による的確な指示といったやり取りを確認
■特長
○ スマートグラスに搭載されたカメラにより、現場作業者の目線で遠隔地と映像を共有
○ 事務所と複数の離れた現場との間で映像や音声等を共有することにより、現場での緊急対応時に的確な現場状況の把握および現場への指示を支援
○ 録画機能により緊急対応事例などを保存管理できるため、机上の学習を超えた技術継承を支援
株式会社エクシーズ

■研究目的
Hololens2を活用した遠隔支援ソリューション(X Vision Support)の有用性検証
■研究概要
(1) 離島や山間部、地下構造物内などの通信環境が厳しい条件下でのソリューションの安定的な稼働を検証
(2) 通信環境が確保できていない作業場所で利用するオフライン機能について、業務に対する適合性を検証
■特徴
○現場作業者の視野と音声を支援者にリアルタイムに共有
○現場作業者が必要とする情報をプッシュ型で作業者のHololens2にMR表示
○現場作業者との通話記録データを保管。災害時等のオフライン環境でも作業支援が可能
○Azureや等のMicrosoft製品との高い互換性を持つHololens2を使用した上で、現場のニーズに特化した独自のシステムを提供